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新生児マススクリーニング

2009年02月16日 22:51

子どもが生まれたら多分みんな受ける新生児マススクリーニングですが、何を調べているのかさっぱり分からなかったので勉強がてら調べてみました。ちなみに参考書は古いイヤーノートとハーパー生化学と家庭医学大辞典です笑


【概要】
新生児を対象として先天性代謝異常症・内分泌疾患の検査を行うもので、早期発見・早期治療により障害発生の防止が見込める6疾患が対象になっている。


【検査方法】
生後4~6日の新生児を対象として、踵から少量の血液を採取して行う。費用は無料(ただし採血料、指導料等は別途要。うちの自治体の場合3000円)。


【対象疾患と発生率】 (発生率は調査方法により異なる)
下記の6疾患が対象となる。(タンデムマス法によるスクリーニングについては別途記載します)

・フェニルケトン尿症 1/75000
・メープルシロップ尿症 1/545500
・ホモシスチン尿症 1/375000
・ガラクトース血症 1/41700
・クレチン症(先天性甲状腺機能低下症) 1/2200
・先天性副腎過形成症 1/20200
※神経芽腫に関しては、新生児の場合では自然治癒するケースがあるため2004年4月より中止。


【費用対効果】
新生児マススクリーニングを行った/行わない場合の費用と便益の比は1:1.8で、新生児120万人当たり31億円と推計されており、マススクリーニングを実施する根拠となっている。この場合の便益とは、スクリーニングにより疾患が早期に発見・治療され、これにより回避された施設費用や養育費を差し、費用とは発症後の治療に要する費用を意味する。ただし、早期発見により任意保険等への加入が拒否される等の不利益は除く。


【疾患詳細】
①フェニルケトン尿症 phenylketonuria, PKU
・原因
フェニルアラニンPheをチロシンTyrに転換するフェニルアラニンヒドロキシラーゼの先天的欠陥により発症。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
生後6月以降の痙攣発作、嘔吐、精神発達の遅滞。チロシンから誘導されるメラニンの不足による赤毛、色白。
フェニルアラニンから誘導されるフェニルケトン、フェニル酢酸を大量に含むことによるネズミ臭尿。

・診断/治療
新生児マススクリーニングにおいてGuthrie法(BIA法)(※)で血中フェニルアラニン濃度を確認することにより診断。低フェニルアラニンミルク(ロフェミルク)を用いることにより症状を抑えることが可能。
※枯草菌を用いた検査方法


②メープルシロップ尿症 maple syrup urine disease, MSUD
・原因
分岐鎖アミノ酸(ロイシンLeu、イソロイシンIle、バリンVal)の代謝過程にある分岐鎖α-ケト酸の脱炭酸反応部位の異常により発症。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
哺乳困難、吐乳、嗜眠、痙攣、痙性麻痺、後弓反張などの錐体路症状、精神遅滞。α-ケト酸の蓄積によるメープルシロップ臭の尿。

・診断/治療
新生児マススクリーニングにおいてGuthrie法(※)で血中ロイシン濃度を確認することにより診断。ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルクを用いることにより症状を抑えることが可能。重篤な場合は血液透析により分岐鎖アミノ酸・α-ケト酸を除去する。


③ホモシスチン尿症 homocystinuria
・原因
メチオニンMetの代謝経路において、中間生成物ホモシスチンをシスチンに変換するシスタチオニンβ-シンターゼの(シスタチオニン-β合成酵素)の異常により発症。蓄積したホモシスチンは再度メチオニンに変換されるため血中メチオニン濃度も高値となる。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
白内障・水晶体脱臼。Marfan症候群類似の細長い指趾等の骨格異常、血栓症、知能障害。

・診断/治療
新生児マススクリーニングにおいてGuthrie法(※)で血中メチオニン濃度を確認することにより診断。低メチオニン食、シスチン添加食により症状を抑えることが可能。


④ガラクトース血症 galactosemia
・原因
ガラクトースを代謝する酵素であるガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼの先天的欠陥により発症(Ⅰ型)。もしくはその他のガラクトース代謝酵素の欠陥により発症。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
生後数日に下痢、嘔吐および肝脾腫、横断、低血糖。その後白内障、精神運動遅滞、および肝硬変。

・診断/治療
新生児マススクリーニングにおいて、Beutler法による血中トランスフェラーゼ活性の測定および、Paygen法による血中ガラクトース濃度を確認することにより診断。新生児期に発症するため診断確定後直ちに治療が必要。ガラクトースを含む食事を避けることにより症状を緩和させる。


⑤クレチン症(先天性甲状腺機能低下症) cretinism
・原因
胎児期からの甲状腺機能低下症のうち成人とは異なる症状を呈するものの総称。原因として、甲状腺そのものの異常、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の異常による甲状腺ホルモン分泌障害、視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の異常によるTSH分泌障害がある。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
出生直後からの甲状腺機能低下症状として哺乳力低下、遷延性横断、巨舌、貧血、小泉門開大。乳児期に知能低下、骨端核出現遅延。

・診断/治療
新生児マススクリーニングにおいて、TSHおよびFT4(Free T4、遊離サイロキシン)濃度を確認することにより診断。レボチロキシンナトリウム水和物、リオチロニンナトリウム等により甲状腺ホルモンを補う。


⑥先天性副腎過形成 congenial adrenal hyperplasia
・原因
副腎皮質で合成される鉱質コルチコイド(特にコルチゾール)の生成減少によるnegative feedback低下により、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰分泌し副腎皮質が過形成される。コルチゾール生成減少の主原因は21-ヒドロキシラーゼの欠損によるもの。遺伝形式は常染色体劣性遺伝。

・症状
性徴異常(外陰部の男性化もしくは男性化欠如)、色素沈着、嘔吐など。

・診断/治療
21-ヒドロキシラーゼ欠損に関しては、新生児マススクリーニングにおいて17-OHプロゲステロン濃度の確認により診断。コルチゾールの内服等で症状緩和。



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