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比べてみれば教科書(解剖学-教科書)

2009年12月28日 18:29

解剖学も終わったので、久々にレビュー書いてみました。まずは教科書から。


 解剖はとにかく暗記が大変だという印象が強いですが、実際には人体の構造を系統的にきちんと押さえておけばそれほど大変ではありませんでした。それよりも人体という三次元構造を二次元の媒体(教科書やアトラス)で把握するのが難しく、それぞれの組織の位置や前後関係などはやはり実物を見ないと理解しづらいです。特に頭蓋骨の孔まわり(翼口蓋窩とか聴覚器とか)や咽頭、骨盤・会陰、鼡径なんかは教科書だけだとかなり苦労します。とは言っても実物だけだと今度はごちゃごちゃしすぎていて何が何だか分からない状態に陥ってしまい、腸間膜なんて実物と全然違うじゃねーかー!となったりならなかったり。結局のところ実物と教科書(アトラス)を見比べながら1つひとつ確認していくのが重要となります。
 そういう意味ではなるべく詳しく且つ分かりやすい教科書やアトラスをきちんと手元に置いて勉強するのをお勧めします。解剖学の教科書は値崩れすることが少なく、ネットオークションや古書でも定価の8割以上の値段がつくことはザラですが、良い物はきちんと購入するべきだと思います(後で売ろうと思えば高く売れますし…)。私も解剖学の教科書には最もお金をかけています。
 あと全体的な傾向として、解剖学の教科書はどれも一長一短あり完璧なものはありません。自分の性格と大学側の求めるものに合わせて選択し、あとは随時図書館で借りたり友達に見せてもらうのが良いと思います。(私は解剖学好きなので沢山買ってしまいましたが…笑)



1)教科書
グレイ解剖学 初版 10500円 ★★★★☆
 世界でナンバーワンの解剖学の教科書「Gray's Anatomy」のスチューデント版です。解剖学講義やイラスト解剖学といった日本の教科書と違い図や写真が非常に多用されており、文章も外国の教科書らしく簡潔明快で非常に分かりやすいです。ただし洋書のため日本の解剖学書とは一部用語が異なることがあり、随時別の教科書やネット等で確認する必要性があるかもしれません(※)。あと、部位別にまとめられているので、例えば鎖骨下動脈を上肢まで追っていきたい時などはページを飛ばしとばしに見ていく必要があり、やや分かりづらいです。とはいえ、全体的には分かりやすく纏められており、現時点の教科書の中ではベストと言えると思います。

※うちの大学の実習プリントは日本の教科書をベースにしていたらしく、時々分担解剖学以外には載っていない単語が出てきました。まあググれば一発で出てきますが…。ただ、解剖学の用語は意外と統一されていないため、この点についてはどの教科書を選択しても同じかもしれません。

(2012.2.25追記)第2版が出ています。総論の章が増えていますが、ぱっと見た感じそれほど大きな変更は無いようです。


解剖学講義 第2版 11550円 ★★★★☆
 解剖学の教科書といって普通最初に頭に浮かぶのがこの教科書だと思います。和書なので説明が詳しい割には分かりやすく、書き方が無機質なグレイと比べて読み進めやすいです。あと色んな所のレビューでも書かれていますが、ただ解剖の説明がされているだけではなく臨床的な内容も合わせて記述されており、頭に入りやすいようです(私自身はそれ程感じませんでしたが)。あと基本は英語なのですが、巻末に日本語-英語-ラテン語の3ヶ国語対応表があり、うちのように講義がラテン語で行われる大学だとかなり使えます(私は巻末だけコピーして持っています)。ただし図が非常に簡略化されているのが最大の欠点で、上で述べたような複雑な構造の部位だとこの本だけでは分かりづらいです。図さえ良ければNo.1なのですが…。

(2012.2.25追記)3月に第3版が出ます。


イラスト解剖学 第6版 7980円 ★★☆☆☆~★★★★★(使い方に依ります)
 ふざけた絵と分かりやすい説明で非常に有名な教科書ですが、実際あまりに適当な絵で実習に持ち込んでも何の役にも立ちません笑。教科書をこの本しか買わないのは危険で、きちんとした系統的な知識が身に付きにくいように感じられます。
 しかし書き方が非常に上手く、複雑な構造や筋や器官と血管・神経の関連や機能などが分かりやすく纏められており、グレイとかの教科書を読んだ後に(または実習の後に)この本を読むとものすごく理解が進みます。要するにポイントが押さえられている本で、グレイとか解剖学講義が駿台シリーズだとすると、イラスト解剖学はマドンナ古文といった印象です。もしくは前者がチャート式で、後者が1対1対応を中経出版から出してみましたみたいな…笑。まぁそれはともかく、組織や発生、神経についてもかなり厚く述べられている点も良いです。先生方には不人気らしいですが、中身を読まずに見た目の印象で言っているのだと思います。

(2012.2.25追記)第7版が出ています。目立った変更は無いようです。


分担解剖学(1~3巻、続巻) 第11版 9765円(第1巻。ただしオークションで1冊1000円くらい) ★★★☆☆
 非常に詳しく非常に古い、歴史的価値がありそうな教科書です。そしてラテン語です。異常に細かく書かれているので、他の教科書に書かれていないことを調べるときに役に立つかもしれません。私も最後の手段で何度か使っています。他の教科書とは異なり、組織別(筋、脈管、神経、臓器など)にまとめられているため、何かに着目して調べたい時は使いやすいです。しかしたった数ヶ月しかない解剖学の授業としては明らかにオーバースペックで、まあ要するに辞書です。


臨床のための解剖学 初版 14700円 ★★★☆☆(解剖実習用の教科書として)
 実はこの本は私が入学前から目を付けていた本でして、大学の図書館にも入れてもらったりしています。図も解剖学講義などと比べれば詳細で、何よりも単なる解剖学としてだけではなく臨床に関する記述が豊富なことが最大の特徴です。ただ、その分初学者にはとっつきが悪く、私も解剖実習の段階では使用するのを断念しました。多分、臨床に入ってから読むとぐっと力がつくのではないかと思います。実際この本の原書は海外でかなり評価が高いようです。


トートラ解剖学 第2版 10500円 評価なし
 私はぱらぱらめくった程度ですので評価なしとしますが、結構良い教科書という評判です。ぱっと見た限りでは図が詳細で文章が分かりやすく良さそうです。中身は「スネル臨床解剖学」や「臨床のための~」と似た感じがします。


コメント

  1. | URL | -

    ただいま解剖学を履修してるものですが、非常に参考になりました。駿台とマドンナのくだりは、大学受験を経験した方ならではの表現で、笑わせていただきました。

  2. shoe | URL | -

    Re: タイトルなし

    コメントありがとうございます!
    今臨床科目真っ最中ですが、解剖学はやっぱりとても大事ですよー。今もイラスト解剖学読んでいます笑。頑張って下さい!

  3. | URL | -

    Re: 比べてみれば教科書(解剖学-教科書)

    アトラスと教科書の違いを詳しく教えてほしいです。
    イラスト解剖学を持っているのですが、プロメテウス解剖学アトラスの方を追加購入するか上のグレイ解剖学を購入するか悩んでいます。

  4. əoɥʂ | URL | -

    Re: Re: 比べてみれば教科書(解剖学-教科書)

    返事が遅くなってしまいすみません。

    ざっくり言うと、教科書は説明、アトラスは図です。
    アトラスは実際の人体と同じ写真や絵が描かれており、そこにある構造物が示されているので、局所の組織の位置関係がわかりやすいです。解剖実習で役立つのはこちらだと思います。
    一方、教科書は各組織や臓器について体系立てて文章で説明してあり、図はどちらかというとおまけです。なので教科書を読んだだけでは実際の構造がイメージしづらいという点はありますが、例えばある神経がどう分岐していってそれぞれが何の筋を支配しているかといった流れは理解しやすいです。

    ただ、プロメテウスのようにアトラスでありながら説明も詳しい本もあり、だんだん教科書とアトラスの境界がなくなっていっているような感じも受けます。

    現在既にイラスト解剖学を持っているのであれば、改めて別の教科書を購入しなくても、どちらかと言えばアトラスを購入した方が使えるのではないかと思います。

    > アトラスと教科書の違いを詳しく教えてほしいです。
    > イラスト解剖学を持っているのですが、プロメテウス解剖学アトラスの方を追加購入するか上のグレイ解剖学を購入するか悩んでいます。

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