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比べてみれば教科書(組織学)

2009年08月17日 02:26

 組織学は好きなので結構本を買いました。アトラスは本によって癖があるので図書館で色々見てみるのがいいと思います。教科書も良い本がたくさんあるんですが、基本的に組織学は組織を識別できるかどうかがポイントなので、教科書の選択うんぬんの前に実習をきちんとこなすことが大事だと思います。



■組織学(教科書)

標準組織学 総論 第4版 8925円/各論 第4版 12600円 ★★★★☆
 とにかく記載が細かく、おそらく組織学の教科書の中で最も情報量が多いです。組織学実習では同定がしづらい細胞とか組織も沢山あるので、そういったものを後で調べるときに重宝します。なんだかんだで一番読んだ教科書ではないでしょうか。ただし図が少ないので、別途アトラスを参照する必要はあります。あと各論の方は第3版が出てからかなり経ち、少々古くなってきた感はあります。なおこの本はネットオークションに頻繁に出品されており、時期を選べばかなり安く入手できます。私は上下巻それぞれ1000円で手に入れました。

(2010/11/5追記)ついに各論も4版がでましたね!カラフルになって分かりやすそうです。ただ、全体的に内容がやや古いのは事実で、利用方法としては(実習時に)組織の鑑別や同定のために詳しい情報を手に入れるために読むことが多そうです。そういう意味では各論は第3版を安く入手するという手でも良いと思います。(各論第3版はヤフオクとかで1000円くらいで買えたりします)



組織細胞生物学 初版 7980円 ★★★★☆
 この本は非常に分かりやすい本です。文章主体ではなく図や写真を中心としてそれらに対して説明しているというスタンスで、長々と文章で説明してある他の本(特に和書)とは一線を画しています。光顕写真も鮮明で分かりやすく、実習にもかなり活躍します(私はこの本で、肺胞の終末細気管支と呼吸細気管支の区別ができました)。免疫やホルモン分泌機構など組織学を超えた領域にもかなり踏み込んでいるので、組織学の講義が終わった後も使えるのではないかと思います。というわけでかなりおすすめなのですが、器官によって記載量にばらつきがあり、内容が不足していると感じる章もあるため★4つとしました。でも組織学の教科書の中ではベストです。


入門組織学 初版 5097円 ★★★☆☆
 我らが牛木教授の入門組織学です。組織学の入門レベルでは他に適当なものがなく、一番分かりやすいと思います。ただこれは出版されてから20年くらいたっており、さすがに情報が古いというか不足しています。あと、著者の先生が標準組織学の著者のためか、標準と記載内容が重複しているものが多々あります。生化学とかのシンプルシリーズのような位置付けでしょうか。


ジュンケイラ組織学 第3版 10290円 ★★☆☆☆
 ネットなんかを見ていると結構良いという評価だったんですが、私には中途半端な内容という印象が強くイマイチでした。詳細に学びたいなら標準を、あっさり概要を掴みたいなら入門を、標準で写真が足りないならアトラスを、ということで、それなりに詳しくは書いてあるんですが、でもどれもちょっと不足・・・。ヤフオクで500円だったので購入してみたんですが、残念ながら使えませんでした。私が買ったのは第1版だったのですが、図書館で見た限りでは最新版(2版)もあまり変化が無かったかな。
(2010.3.20追記)第3版出ました。


人体の正常構造と機能 全10巻縮約版 18900円 ★★★★☆(組織学として)
 詳しくはこちらを参照ください。この本を教科書にするのは無理ですが、(肉眼)解剖と組織のつなぎの部分の理解に非常に役立ちます。例えば気管枝が分岐してだんだん細くなっていくのは解剖学の教科書にも書いてあると思いますが、そこで組織構造がどう変化していくかを標本写真と共に説明されていたりするのが分かりやすいです。標本写真もかなり綺麗。


新・細胞を読む(ブルーバックス) 1208円 (評価対象外)
 教科書ではないんですが、組織学の勉強のとっかかりとして読むには良い本です。ブルーバックスですが、組織構造の主要な部分は押さえられていて侮れません。医学部の図書館には無くても理工系キャンパスとか市の図書館には置いてあると思うので、組織学の講義が始まる前に一度読んでみてもいいかも。


(2011.1.23追記)有名な組織学の教科書"Histology"の訳本Ross組織学が発売されています。うちの大学の図書館にも入れてもらったのですが、写真が見やすくかなり良さそうです。組織細胞生物学もそうですが、洋書は本の作りというか、文章の構成が上手く読ませようという意思が感じられて好感が持てます(和訳がダメダメなことも多いですが…)。この本の登場で組織学の教科書のスタンダードが変わってきそうな気がします。




■組織学(アトラス)

機能を中心とした図説組織学 第5版 9975円 ★★★★☆
 この4月(2009年)に第5版が出たばかりのアトラスで、これぞアトラスとばかりに豊富に光顕・電顕写真が載っています。変なアトラスだと染色がイマイチだったりして良く分からないんですが、そういうことも無いです。説明もかなり詳しく、筋紡錘とか腎糸球体みたいな複雑な構造だと、下手に教科書を読むより分かりやすかったりします。私の大学の実習標本とは染色方法が違うことが多かったのがちと残念でしたが(うちの大学はMG染色が多かった)、アトラスの中では最もお勧めできる本で、私が組織の教科書で唯一定価で購入した本です笑。


Sobotta 実習 人体組織学図譜 第5版 11550円 ★★★★☆
 この本はどちらかというと写真よりもスケッチの方に重点が置かれています。でも分かりにくいことはなく、むしろ器官の全体像などが分割されることなく載っていることで、肉眼と顕微鏡の視野の間の理解しづらさを埋めてくれます。顕微鏡の図だと、この組織はいったいこの器官のどの部分なんだ?ということが結構あるんですよね。私も下垂体とか眼瞼とかをスケッチするときに活用していました。惜しむらくは図の数がやや少ないことと、その割に値段が高いことでしょうか。


カラーアトラス組織・細胞学 初版 12233円 ★★★☆☆(うちの大学なら★★★★★)
 アトラスにしては写真の数が少ないですが、強拡大の図が多く、細胞を識別するための具体的な特徴に関する記述が多いので、実習時には役立ちます。あと良くも悪くも特殊染色が多いかな。上の2冊の出来が良いのと、あと出版がかなり古いので、通常は購入する選択肢には挙がらないと思いますが、うちの大学のこととなると話は別です。このアトラスは基本的にうちの大学の標本を使っているため、実習時には必須のテキストに早変わりします。最近はさすがに標本の入れ替えも進んでいるようですが、それでも非常に役立ちました。図書館にも大量に置いてあります。


カラーアトラス機能組織学 初版 7350円 ★☆☆☆☆
 説明の文章はそれなりに詳しいのですが、ぼやけた感じの標本写真が多く、特にSobottaなどと比べるとかなり劣る。この本にしかない標本というのも無く、利用できる機会が少ない。あとヒト以外の標本が多いような…(サルとか)。


ガートナー/ハイアット 組織学カラーアトラス 第2版 9975円 ★★☆☆☆
 可もなく不可も無くというところ。「機能を中心とした」やSobottaは著者の明確な意思を持って作られていると感じられるが、この本にはそういったものはなく、ただ写真を並べてアトラスにしました、という感じ。写真がやや小さいのも難点。


コメント

  1. とっち | URL | EYreKZTM

    Re: 比べてみれば教科書(組織学)

    やっぱりあなたは偉大だなぁ。

  2. shoe | URL | -

    Re: 比べてみれば教科書(組織学)

    まぁなんてったって暇人ですから。

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